2023/12/01(金)
サルコペニアって知ってる?
カテゴリー:院長ブログ

今回のテーマは「サルコペニアって知ってる?」です。
あなたは「サルコペニア」という言葉を聞いたことがありますか?
恐らくほとんどの方が「何それ?」「病気?」と思われたかも知れません。
サルコペニアは簡単にいうと40代以降に起こる「老化現象」です。
誰にでも発症する可能性があり、放置していると寝た切り生活になってしまいます。
今回はそんな「サルコペニア」の原因や症状、予防法について解説していきます。
サルコペニアとは?
サルコペニアとは、主に加齢によって起こる全身の筋肉量減少とそれに伴う筋力低下、身体機能の低下のことを指します。診断、治療を行うべき1つの病気として国際的にも認識されており、医学界の中でも注目を集めています。
サルコペニアが進行すると、寝たきり、嚥下障害などに陥るため、生活の質が大幅に低下する可能性があります。
重症化して要介護状態になると、改善が容易では無くなるので早期での予防・治療が重要になってきます。
2016年に国際疾病分類に登録された疾患で、比較的最近の話なのでまだ世間一般的には周知されていないのだと考えられます。
サルコペニアの症状
サルコペニアでは筋肉量の減少によってさまざまな身体機能の低下がみられます。
具体的には日常生活で下記のような症状を自覚することが多いです。
- 歩くのが遅くなる
- ふらつく、転びやすい
- 階段の上り下りが遅い
- 握力が落ちる
- 痩せる
- 姿勢を保てない
- 食事が飲み込みにくい・むせる
- 重たい荷物を持ち上げにくい
など多岐に渡ります。
これらは年齢を重ねると誰にでも起こりうる症状ですが、早めに気づいて予防をすることで、できるだけ長く身体機能を維持することができます。
65歳以上の高齢者の約15%程度がサルコペニアに該当すると言われています。
筋肉は40代から萎縮スピードが上昇するため、老化現象が速い方だと40代後半~50代前半から自覚する方もいます。
コロナウイルスによる自粛期間が3年間ありました。
その影響もあり活動量が大幅に低下した人も多いと思います。
今は制限解除となっていますが、出るのが億劫になり現在も活動量が低下したままという方が多いのではないでしょうか?
その影響もあって、現在病院でサルコペニアと診断される人数が大幅に増えているそうです。
サルコペニアの原因
原因は下記のように分類されます。
これらの原因が重なることでサルコペニアが進行していくと考えられています。
- 加齢
- 低活動
- 低栄養
- 基礎疾患
サルコペニアか判断する方法
一番確かなのは、かかりつけのお医者さんの診断を受けてください。
でも、何か症状がある訳では無いし病院に行くまでは無いなとお考えの方は自身で出来る簡単な検査法がありますので、これで検査してみてください。
- 握力計測
- ふくらはぎの太さ計測
- 椅子立ち座りテスト
- 歩行速度テスト
これらはご自宅で簡単に自分で検査できるので非常に有効です。
それぞれ、方法について解説していきます。
・握力計測
握力は上半身の筋力評価としても、全身の筋力評価としてもなるので使われています。
基準:男性28kg未満、女性18kg未満
上記に該当する場合、筋力低下が著しいと判断され、サルコペニアの可能性があります。
・ふくらはぎの太さ計測
ふくらはぎは第2の心臓と言われるくらい重要で、下半身の筋力評価として使われています。
計測部位は、ふくらはぎの一番太い部分を計測するようにしてください。
基準:男性は34cm未満、女性は33cm未満
上記に該当する場合、 筋力低下が著しいと判断され、サルコペニアの可能性があります。
・椅子立ち座りテスト
このテストは、椅子から立ったり座ったりする動作を5回行ない、その掛かった時間を元に筋力低下の有無を調べます。
基準:12秒以上
上記に該当する場合、 筋力低下が著しいと判断され、サルコペニアの可能性があります。
・歩行速度テスト
このテストは、6メートル歩くのにどの位時間が掛かるかを測ることで筋力低下の有無を調べるテストになります。
基準:秒速1メートル以下
上記に該当する場合、 筋力低下が著しいと判断され、サルコペニアの可能性があります。
もし、1秒あたりに0.8メートルを下回る場合は信号を1回で渡り切れない可能性が高いです。
サルコペニアを防ぐには?
サルコペニアを防ぐには、30代から食事や運動習慣を見直すことが非常に重要になってきます。
もし現在、既にサルコペニアの可能性があるのであれば今すぐ下記の項目を実践していくことで生活の質向上が望めます。
運動
階段上り、かかと上げ、スクワットなどの特に下半身を使った運動がお勧め
食事
筋肉は約8割がたんぱく質からできています。ですから、筋肉量を増やす肉や魚、卵、大豆製品などを中心にたんぱく質が多く含まれている食品を意識的に摂取しながら、運動習慣を持つことがお勧め
以上が「サルコペニア」についてです。
加齢と共に筋力が低下するのはある程度は仕方が無い事です。
だからと言って「年だから、もうどうしようもない」と言って放置していると寝た切りや嚥下障害など生活の質が大幅に低下します。
そうならない為にも、運動や食事バランスを見直してみてはどうでしょうか?
それでは、本日はこの辺りで失礼します。
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