2023/05/12(金)
腸内環境を左右するものとは?
カテゴリー:院長ブログ
今回のテーマは「腸内環境を左右するものとは?」です。
私達の腸内の環境を左右するもの。
それは約100兆個も存在すると言われる「腸内細菌」です。
近年は「腸内細菌」という言葉を知っている方は非常に多くなってきました。
健康に意識を向けるという事は非常に重要なので喜ばしいことですね。
しかし、
「腸内細菌という言葉は知ってるよ!詳しくは知らないけどお腹の環境を整えるのに関係するやつでしょ?」
その位の認識で終わってしまっている方が多いのではないでしょうか?
これで終わってしまわないでください。
「いま便秘も無いし、別にお腹の状態悪くないし別に良いんじゃない?」と思われるかもしれません。
でも、腸内環境は今日大丈夫でも1週間後には悪くなり得る場所なんです。
ですから、しっかりと腸内環境について理解して将来の健康に備えてください。
腸内細菌は宿主である人と共生関係にあり、食物から得る栄養素をエサに発酵する事で増殖していきます。
また、さまざまな代謝物を生成することで、人体の機能に大きな影響を与えています。
腸壁の粘膜にびっしり生息しているため、まるでお花畑(フローラ)のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれ、総重量は約1.5kgにもなります。
腸内細菌は大きく3つに分けられます。
- 善玉菌
- 日和見菌
- 悪玉菌
この3つには理想的なバランスがあります。
- 善玉菌:2割
- 日和見菌:7割
- 悪玉菌:1割
腸内環境が上記のように善玉菌が優勢であれば健康を保てます。
一方、
- 善玉菌:1割
- 日和見菌:7割
- 悪玉菌:2割
などのように悪玉菌が優勢になると不調を生じやすくなります。
それぞれの細菌の働きについて簡単に説明すると、
- 善玉菌:代謝物が消化・吸収機能に役立ち、人体に良い影響を与える細菌
- 日和見菌:日和見菌は腸内において数的に優位な方に加勢をする細菌
- 悪玉菌:便秘や下痢を招いたり、代謝によって有害な毒素を作ったりする人体に悪影響を及ぼす細菌
上記の事からも、いかにして善玉菌が悪玉菌よりも優勢な状態に常日頃からしておくのか?が重要になってきます。
腸内細菌は遺伝との関連性も言われていますが確実ではありません。
どちらかと言うと、
・生まれてから接触する周囲の人の影響
・日常生活動作
・何を食べ、何を飲んでいるか?などの食習慣
ここの影響が大きいと考えられています。
特に幼児期に上記の環境が悪いと腸内細菌のバランスは崩れます。
そして、幼児期に形成された腸内環境(細菌バランス)はその後の人生に影響を与えます。
腸内洗浄や便移植でもしない限り、腸内細菌の割合が良い方向に大きく変更することはありません。
但し、日常生活動作や食生活を変える事によってある程度、腸内細菌の割合を変える事が出来ると考えられています。
良い方向に大きく変更することはありませんが、悪い方向に大きく変更するタイミングがあります。
今は腸内環境が悪い認識は無いし大丈夫!と油断しているあなた!しっかり覚えておいてください!!
その悪くなるタイミングとは・・・、
「加齢」です。
60歳を過ぎた頃から腸内細菌の組成に大きな変化が訪れます。
善玉菌が徐々に減り始め、悪玉菌が増え始めるのです。
人間は食べた物を材料にして体を作っています。
その際に消化・吸収の為に中心になって働くのが腸です。
その腸内環境が悪いと、上手く消化・吸収が出来なくなります。
健康の為に一生懸命歩いたりと運動をしても健康に近づいていない気がする。
それは、腸内環境が悪いからかもしれません。
腸内環境は幼児期に形成されます。
ですから、自分が苦しむだけでなく子供にも苦しみを与える可能性があります。ひいては孫にまで影響を与える可能性もあります。
自分の為、家族の為にも今日から「腸内環境」意識してみてください。
それでは、本日はこの辺りで失礼します。
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また、こんなことについて書いて欲しい!というテーマがあれば是非ご連絡ください。
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