2023/12/22(金)
今のままでは脳が縮む?!
カテゴリー:院長ブログ
今回のテーマは「今のままでは脳が縮む?!」です。
あなたは、健康や美容の為に定期的な運動を行なっていますか?
やらないといけないとは思っているけど、忙しい・運動苦手・キッカケがないなどの理由で実施していなかったり、運動量が不足している人が多いかも知れません。
運動は体の状態に応じて実施することで健康や体型を保つことが可能ですし、脳や認知機能を高める働きも期待できます。
アメリカの研究によると、運動習慣が無い人は脳が萎縮(縮む)しやすいということが分かっています。
もしあなたが、
「最近物忘れが酷くなってきた」
「新しい出来事を覚えるのが苦手になった」
「最近コミュニケーションをとるのがスムーズに出来ない」
などの症状があるのであれば、脳が萎縮してきている可能性がありますので要注意です。
今回はそんな脳の萎縮と運動との関連性について解説していきます。
脳萎縮と運動不足の関係
アメリカで20年間に及ぶ追跡調査によると、体力が無い人は脳萎縮が加速しやすいことが判明しました。
一般的には30歳代くらいから少しずつ脳の萎縮が始まり、65歳くらいになるとMRIなどの画像的にも明らかな萎縮があることが分かるようになります。
脳の重さは成人男性で1300~1400グラム、成人女性で1200~1300g程度です。
90歳になると60歳の脳よりも5~7%程度軽くなると言われていますので、その位萎縮しているという事になります。
萎縮の速さは程度や個人差によるところが大きく、脳の部位によっても差が見られます。
特に前頭葉や側頭葉は、加齢に伴う萎縮が目立つ部分であると言われています。
前頭葉や側頭葉が萎縮すると、物忘れが酷くなったり、直近の記憶が思い出せなくなったり、言葉が出てこないなどの症状が出やすくなります。
では、そんな脳萎縮と運動がどう関係するのか?
運動をして心拍数が上がると全身の血流が上がります。全身の血流が上がるという事は脳への血流も増えます。
更に記憶を司る「海馬」という部分に血流がしっかりと行くことで記憶力が上昇するというデータもあります。
運動することでBDNF(脳由来神経栄養因子)という物質が沢山分泌されます。
神経と神経はシナプスと言う物質で繋がっており、その間のやり取りは神経伝達物質が行います。
このシナプスが脆弱だと脳からの指令が体に上手く伝わりにくくなるので、記憶や運動などに問題が生じます。
そんな際に、BDNF(脳由来神経栄養因子)が沢山あると、BDNFがシナプスを大きくし、新しい枝を出してシナプスを増やす働きが期待できます。
BDNFは特に有酸素運動によって飛躍的に増加することが分かっています。
有酸素運動を中心とした運動を行なう事で、脳細胞のの働きをよくする物質がどんどん増えていくということです。
更に運動をすることで記憶力を高める「エンドカンナビノイド」という物質も増えます。
エンドカンナビノイドは脳内麻薬ともいわれる物質で、幸福度を上げる作用や海馬(記憶を一時的に保存しておく場所)に作用して記憶力を高める作用があります。
脳には血液脳関門という部位があり、脳に有害物質が入っていかないようなストッパーの働きが有ります。
そのため多くの細菌やタンパク質は脳を通過できません。しかし、エンドカンナビノイドは血液脳関門を通り抜けるため脳に入り込んで作用します。
そのため、運動することで脳萎縮を食い止めるだけでなく現在の記憶力向上にもつながるのです。
年齢を重ねるとすべての臓器が老化していきます。
脳が萎縮するのも当然と言えば当然です。
ですから、若い頃と同じように脳機能が働かないことを嘆き続けるのではなく、ある程度は受け入れる必要があります。
ただし、若いうちから運動習慣を取り入れることで脳萎縮のスピードをゆるめることは可能です。
現代は望もうが望まなかろうが、人生100年時代です。最期まで自分らしく生きるためには運動がとても有効です。
運動は脳萎縮を食い止めるだけでなく、今現在の身体機能や脳機能を高める働きがあります。
目の前の忙しさを言い訳にせず、少しずつでも今日から運動を取り入れてみてはどうでしょうか?
それでは、本日はこの辺りで失礼します。
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